ハルンド / 芋
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全ての未来が僕らを見ている | 隣の肩の雨のにおい | 聖なる捺印 | 愛おしい嘘

愛おしい嘘 | 潤滑油の中泳いでゆく | かよわい淡水魚 | 変色の綾の末端より
灰時計 | 目覚ましき青 | 昔死んだあの子の花火 | 路地裏ファーストセレモニー
幸福な日々たち | 無垢なる露光 | 出窓から見てる | 戸惑う鼓動はどこまでゆくの

咽喉に吸う | 生身の航海 | めくるめく 回転木馬 | 裸眼の悦び | 薄鼠ネイル
綿毛の眠り | いじらしい爪先 | 魅惑の水 | 待っていたのは君だったかもしれない
最果ての港 | オーロラの波紋あるいはひび割れ | 消化しきれないはにかみだとか

胃の底に溜まってく | 空気感染倦怠期 | 猫肌 | 誇らしき高鳴り | 薬指に輪廻
赤い糸の限界値 | 乳白色のヴェール | 堂々廻りか スパイラルか | 渇望の洪水
東へ 懐かしき異国へ | 西へ ふたりが出会う場所へ | 南へ 私のいない方へ

北へ、きらびやかな街へ | sheep in a sleep | ちゃんと両の眼で | 二度目の産声
週末旅行者と恋に落ちて | どれくらい傷付ければ溺死に足るだけの血が流れるの?
湧き水にそっと口づけるとなんだか甘いきもちがしたんだ | お月さまと生きるということ

時々ほほえんでください | 雪のうさぎは今日もゆく | 揺さぶる膜に寄り添って
かつての少女はいつかの少年の元へ | 君が出てくる怖い夢 | 上手な歳の重ね方
美しい心臓のけいれん | 夜と朝と、連なる受胎 | ナンセンスなひと、愛しちゃった

変温のあなた | 君を想うと夜も眠れない 夢でしか会えない人なのに | 死んだ貝
濃密に交わる卵黄 | ヒヤシンスと接吻 | 海の溢れだす夜 | よく笑う、タフなやつ
お芝居の下手な狼男 | いささか目立ちすぎる召使い | 刑務所生れの刑務所育ち

ハッピーエンドは道草してて | 哀れな哀れなシンデレラ | フルコースにエスコート
王子様は絶対に | 唇をこじ開けることから始まるコミュニケーション | 気高すぎた頬
彼の歴史に私の歴史がすっかり抱かれてしまいますように | 繋いでおくべき手もないし

夕立ちを飲み込んだら | ぱちぱち カメラの眼 | 私が死ぬまで思い出してはだめです
抱き枕のおかげ | ガラスの靴で散歩 | 魔女の恋人の恋人 | 乾燥果実はなぜ甘い
どうして君がいなくても幸せになれちゃうんだろう | 太陽を受け入れることもできそうだから

あくびの仕方も忘れてしまう程 | うるんだ光に共鳴してる | 雪解けが僕を襲うだろう
おかえり海鳥 | 洗いざらしの赤い靴で | 雨が残していった鏡を | 力任せに叩き割る
太陽と日傘女の恋 | 透明な空 | どっか水臭い | 紅く閉じる | 風に黄金ひとひら

ふたりぼっちの冬眠は | 春寒に震える指先 | 前髪の奥のその瞳 | 贅沢な幸福感
鳴けないオウム | 明け方のチャイム | 肩耳からの愛の定義に身を任せてもいいと思った
シュガーレスキス | 辛うじて微熱 | 真冬の花火 | 甘い涙 | 身ぶるいと低温やけど


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